中國紀行 CKRM Vol.22

まげを結い、和装で歩く人が今の日本で見られなくなったのと同じように、北海道で民族衣装を着て過ごすアイヌを見ることは、儀式やイベントの場を除いてなくなったと言って良いでしょう。その一方で、丸木舟に乗って鮭をとったり、小屋のなかで囲炉裏に薪をくべたりして暮らすアイヌが存在すると思っている人は、今も少数ながらいるようです。それは、アイヌがどういう民族で、どのような歴史をたどってきたのか、今はどう暮らしているのか。そういった知識や理解がまだ十分に浸透していない事情もあるのでしょう。アイヌ本来の考え方や生活に触れると、人間の原点を思い出すような感情がこみあげてきます。人間とは何かを問うきっかけになります。アイヌの歴史や今を知ることは、アジア人とは何か、日本人とは何かを考えることにもつながるでしょう。専門家やアイヌの方々の話をお伝えしながら、アイヌ文化の伝承や歴史に、『中國紀行CKRM』的視点でせまります。

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