中日平和友好条約締結45周年記念 中日奉納盆栽水石展@清水寺

盆栽芸術は中国の唐から始まり、「方寸の間」には世界が垣間見える。11月24日、中日平和友好条約締結45周年を記念して、中日奉納盆栽水石展@清水寺の開幕式が日本の京都で開催された。今回の展覧会は4日間、27日まで開催され、盆栽作品25点、水石盆栽10点、書画作品10点が集まり、盆栽芸術作品は京都清水寺の境地に映え、その特有の趣と美しさで、観光客は盆栽の中に見る「自然山水」の美しさを堪能した。

今回のイベントは、中華人民共和国駐大阪総領事館、春花園BONSAI美術館、清水寺が共催し、株式会社アジア太平洋観光社が協力した。また文化庁、観光庁、京都府、京都市、中国盆栽芸術家協会、公益財団法人大阪観光局、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会、公益社団法人日本中国友好協会、京都府日中友好協会、京都都華僑総会などが後援している。 開幕式には中華人民共和国駐大阪総領事の薛剣氏と教育処主任の聶瑞麟氏、春花園BONSAI美術館創始者で日本の盆栽巨匠の小林国雄氏、京都府副知事古川博規氏、中国盆栽芸術家協会事務総長の蘇放氏、京都市国際交流共生推進室長の西松卓哉氏、公益財団法人大阪観光局常務理事の平田知敬氏、京都府日中友好協会会長の田中彰寿氏、世界盆栽友好連盟の岩崎苗美副会長、株式会社アジア太平洋観光社の劉莉生代表取締役らが出席した。

中華人民共和国の薛剣駐大阪総領事は開幕式の挨拶で次のように述べた。「盆栽という芸術は中国の唐の時代に始まり、宋の時代には盆石が現れ、園芸市場が発達し、盆栽園芸品の売買が盛んになりました。明・清の時代の盆栽文化は、富裕層から一般大衆へと少しずつ普及していきました。日本における盆栽の記録は最古のもので鎌倉時代にさかのぼり、明治時代までは中国語と同じように「盆景」と呼ばれていたそうです。中国の盆栽芸術は1200年以上前に日本に伝えられてから、絶えず発展・変化し続けています。盆上に凝縮される自然山水観は、手を加える人の最も素朴で直観的な美しい思いを反映しており、中日両国の人々が昔から追い求めている精緻で自然な美しい生活への願いを乗せたものです。小さな盆栽は『音のない絵、立体的な詩』と称えられ、ほんの小さな空間に無限の知恵が含まれており、まさに小さな盆栽に大きな乾坤が宿っていると言えるでしょう。 文明の交流や学び合いは、人類社会の進歩と世界平和の発展を推進する重要な原動力であり、世界をより美しくし、各国の人々の暮らしをより豊かにするために避けては通れない道です。今年は中日平和友好条約締結45周年に当たります。中日平和友好の基礎は民間にあり、文化は人々の心を結ぶ特別な役割を果たす重要な存在であります。中国駐大阪総領事館は、45周年記念としてこれまで盆栽イベントをはじめ、数多くの文化イベントを開催し、中日文化交流に積極的に取り組んできました」

春花園BONSAI美術館創始者・日本盆栽の小林國雄氏は挨拶の中で次のように述べた。「見渡せば、視界いっぱいの紅葉と緑、そして世界中の人々を魅了する清水寺の美。その全てが備わった舞台で、こうして盆栽を飾らせていただく事は、1人の作家として生涯最大の栄誉です。一粒の種が親木から離れ、陽の光を求めて成長していく。みなさん、命の営みが鉢に納まっている盆栽に美を感じることに、国境はあるのでしょうか? 私は盆栽のおかげでどれだけの国の友達に友達ができ、笑い、楽しむことができたか知れません」  京都府の西脇隆俊知事は書面で以下のように挨拶した。「盆栽は、平安時代に中国から伝来した『盆景』を基に日本人らしい独自の美的感覚や豊かな風土の中で培われた、生きた芸術品です。雅な趣があり、日常生活に潤いと安らぎをもたらすものとして古くから親しまれており、近年ではその高い芸術性から、ますます愛好家が増え、今や日本を代表する文化として『Bonsai』という言葉がそのまま海外で通じるほど、世界的にも評価されているものだと認識しております。 今年は、中日平和友好条約締結 45 周年という記念すべき年であります。中国と日本はこの間、盆栽をはじめ文化芸術の様々な交流事業を通じて互いの信頼を深め、友好の輪を広げてまいりました。両国の先人たちが積み重ねてきた2000年以上の友好往来や文化交流の歴史に基づく関係が、多方面にわたって一層盛んになりますよう、皆様には両国の心の架け橋として引き続き御尽力をいただきますよう、お願い申し上げますとともに、本展覧会を通じて日中の絆が一層強くなり、新たな文化の創造へと繋がっていきますことを御期待申し上げます」

「一般的な盆栽展の注目点は盆栽にあり、盆栽そのものに対する評価がなされます。盆栽展が清水寺に移ると、盆栽以外のものに注目することになります」と中国盆栽芸術家協会事務総長の蘇放氏は記者団に語った。「京都は人々に尊敬の念を抱かせる歴史的な都市であり、今日、清水寺の舞台で盆栽と水石という芸術活動を通じて、両国の文化交流につながるイベントを行えることを嬉しく思います。平和と愛は、常に人類文明の主要なテーマであり、特に争いと対立に満ちた今日の世界においては、中日両国の盆栽と水石の芸術交流は、異なる視点に満ちた世界における、芸術と文化を通じた対話の重要性を浮き彫りにしています。 中国唯一の国家一級レベルの盆栽協会である我々中国盆栽芸術家協会を代表し、今回のイベント開催に対して祝意を表すとともに、このような中日間の盆栽・水石芸術の交流が今後ますます盛んになることを願っております」  開幕式では、中国盆栽芸術家協会副会長で盆栽専門委員会主任の申洪良氏が宜興紫砂特製盆栽鉢を清水寺に贈った。