中國紀行 CKRM Vol.26

かつては年に一度、八百万の神が集っていたという出雲國。出雲地域を旅しながら、出雲國の担っていた重要な役割に迫ります。

日本は八百万の神を崇拝する国でしたが、現在はどうでしょう。この感覚は昔より薄くなっているようですが、その本質はまだ残っているように感じます。出雲大社という神社がありますが、名前に聞き覚えがあったとして、出雲大社がどういう神社で、出雲大社のある出雲がどういう地域だったのか、ご存知でしょうか。日本の中で、出雲以外の地域は10月を神無月と言いますが、出雲だけが神在月と言います。これは、全ての神が出雲の地域に集まっていたからでした。ここに集っていた神とはどういう存在だったのでしょう。かつて日本人は、神は空と海が繋がるところから来ると考えていました。出雲が面している日本海は、対馬海流とリマン海流が循環していて、深海は日本海盆、対馬海盆、大和対盆がそれぞれ反時計回りに対流している生態系の豊かな海です。この豊かな海の恩恵を、今は亡き多くの国々も受けていました。これまでの中國紀行CKRMの取材で見えてきた、古代の中国大陸と日本列島の貿易路。その中でも日本海の路は重要です。八百万の神が集まっていた「出雲國」には、この貿易路について真実味を帯びてくる要素がありました。八百万の神とはどういう存在だったのか。その答えの片鱗に、中國紀行CKRM的視点で迫ります。