中國紀行 CKRM Vol.27

教育という言葉が、なぜ難しく硬いイメージになってしまったのか。日本最古の教育機関と、その根底にあった儒学に迫ります。

教育という二文字を目にすると、何だか難しそう。とか、硬い感じがする。と、思われる方が多いのではないでしょうか。それはきっと、幼少期の経験に基づいた感覚でしょう。儒学といわれても、何のことかわからないと思われるかもしれませんが、論語といえば耳馴染みがあるのではないでしょうか。論語は孔子という人の教えを弟子がまとめたものですが、それを元に、中国で昔から大切にされてきた考えを学ぶのが、儒学なのです。その儒学という人間が生きる上で学んできた知恵を中心に、様々な学問を学ぶ場として、日本では学校が生まれました。学校で学べるのは生きるための知恵ですので、教育を受けられるということは、凄く幸せなことでした。教育とは、昔は嬉しくなれる意味を持つ言葉だったのです。ではどうして、教育という響きに難しい、硬いといった、近寄りがたいイメージがついてしまったのか。もしかしたら教育を受ける場所に、何かしらの原因があったのかもしれません。近世日本の教育遺産に注目しながら、その根幹になっていた儒学とは何か、中國紀行CKRM的視点で紹介いたします。