中國紀行 CKRM Vol.33

CKRM 33

日本武尊の前に北陸と東方諸国へ派遣された武内宿禰は「東国の田舎の中に日高見國がある」と語り、「日高見國の人たちは男も女も髪を椎の形に結い、文身をほどこし勇敢で、これらすべてを蝦夷という」と記録している。日高見國を中心に、東方の夷(異民族)は倭國と従属関係にあったのだが、次第に力をつけて従わなくなった為、日本武尊が派遣されたという話だ。日高見國には、島津神と国津神という統治者達がいた。この島津神と国津神を捕虜にして、日本武尊は東国支配の旅を続けるが、大山で白鹿を殺し道に迷うことになる。その時にやってきたという白犬の伝承から、歴史上重要な民族融合の可能性が浮かび上がる。水流を活用して旅を進めた日本武尊と、日高見國を経て出会う白犬の伝説が、かつて中国大陸に存在していた古越國の研究結果と、犬と共に生きていた人たちの風習へと繋がってゆく。日本武尊と東夷について、中國紀行CKRM的視点で考えていこう。