旅日 2021年秋『巻き起こす華流』

近年、中国の映画・ドラマ制作の水準が上がっている中、中国の物語が次々と海外に流出し、“華流”が世界の注目を浴びている。中国の映画やドラマが海外で放映されるようになり、中国の物語は言葉の壁を越え、国境を越えて、中国の優れた伝統文化を紹介し、美しい「中国」を世界に伝えている。そこで、編集部は『巻き起こす華流』を特集。中国映画・ドラマを日本に広げる在日中国人の代表者を取材し、最前線で活躍する彼らにインタビュー。

旅日 2021年夏『日本にいる新しい華僑華人世代』

時代と共に古い世代の華僑が消えていく中、華僑社会は次第に「新旧交代」の時代を迎えている。新しい世代の華僑が登場し、それが華僑社会の主流になりつつある。今号は『日本にいる新しい華僑華人世代』を企画。本特集では、日本でさまざまな分野で活躍する華僑華人の代表的な5人を取り上げ、目覚ましい活躍をされている方々を紹介。彼らの物語を通して、日本での今後の発展を垣間見ることができる。

中國紀行 CKRM Vol.28

全ての料理には歴史がある。中華料理や中国料理として日本人の舌にも馴染んだ大陸料理の始まりを、各時代の背景と共に伝えます。

華僑や華人といわれる、中国出身の人たちがいます。彼らは世界各地に、仲間たちが安心して暮らせる居場所を作りました。いつの時代、どこの地域にもよそ者や言語習慣の違う人に当たりが強い人がいます。それらから仲間を守る、最低限の自己防衛の手段として、共に暮らせる居場所を、それができる人たちを中心に作り上げたのです。そのような居場所が、中華街の前身になりました。彼らがなぜそこに来たのか、理由は様々でしょう。このような居場所を作るには、少なくない資金が必要になります。そんな時に頼りになったのは、何かしらの事業に成功することが出来た人たちでした。今の呼び方でいうなら、貿易商。有史以前より、日本列島には世界中の人が訪れています。古くは、良質の黒曜石を求めてだったのかもしれません。貿易商は、様々な文化に必要とされるものを求め、世界中を旅しました。その中で一番難儀したのが、食べ物でした。食べ物が合わなければ、その地に長く留まることができません。力ある貿易商は、自分の口に合う料理を提供してくれる料理人と共にいることを重視しました。料理人は貿易商と共に旅をし、その地域で用意できる食材をもとに、彼らの口に合う料理を作り出します。現地の食材を活用するので、そこで暮らす人にとっては、さぞ衝撃的だったでしょう。自分たちが食べている食材が、見たこともない料理に変わり、食べてみたら美味しい。日本各地の中華街は、かつての貿易の中心地にあります。そこに残っている事業が、どうして飲食業なのか。中華文化と食の伝播を考えながら、中國紀行CKRM的視点で迫っていきます。

中國紀行 CKRM Vol.27

教育という言葉が、なぜ難しく硬いイメージになってしまったのか。日本最古の教育機関と、その根底にあった儒学に迫ります。

教育という二文字を目にすると、何だか難しそう。とか、硬い感じがする。と、思われる方が多いのではないでしょうか。それはきっと、幼少期の経験に基づいた感覚でしょう。儒学といわれても、何のことかわからないと思われるかもしれませんが、論語といえば耳馴染みがあるのではないでしょうか。論語は孔子という人の教えを弟子がまとめたものですが、それを元に、中国で昔から大切にされてきた考えを学ぶのが、儒学なのです。その儒学という人間が生きる上で学んできた知恵を中心に、様々な学問を学ぶ場として、日本では学校が生まれました。学校で学べるのは生きるための知恵ですので、教育を受けられるということは、凄く幸せなことでした。教育とは、昔は嬉しくなれる意味を持つ言葉だったのです。ではどうして、教育という響きに難しい、硬いといった、近寄りがたいイメージがついてしまったのか。もしかしたら教育を受ける場所に、何かしらの原因があったのかもしれません。近世日本の教育遺産に注目しながら、その根幹になっていた儒学とは何か、中國紀行CKRM的視点で紹介いたします。

中國紀行 CKRM Vol.26

かつては年に一度、八百万の神が集っていたという出雲國。出雲地域を旅しながら、出雲國の担っていた重要な役割に迫ります。

日本は八百万の神を崇拝する国でしたが、現在はどうでしょう。この感覚は昔より薄くなっているようですが、その本質はまだ残っているように感じます。出雲大社という神社がありますが、名前に聞き覚えがあったとして、出雲大社がどういう神社で、出雲大社のある出雲がどういう地域だったのか、ご存知でしょうか。日本の中で、出雲以外の地域は10月を神無月と言いますが、出雲だけが神在月と言います。これは、全ての神が出雲の地域に集まっていたからでした。ここに集っていた神とはどういう存在だったのでしょう。かつて日本人は、神は空と海が繋がるところから来ると考えていました。出雲が面している日本海は、対馬海流とリマン海流が循環していて、深海は日本海盆、対馬海盆、大和対盆がそれぞれ反時計回りに対流している生態系の豊かな海です。この豊かな海の恩恵を、今は亡き多くの国々も受けていました。これまでの中國紀行CKRMの取材で見えてきた、古代の中国大陸と日本列島の貿易路。その中でも日本海の路は重要です。八百万の神が集まっていた「出雲國」には、この貿易路について真実味を帯びてくる要素がありました。八百万の神とはどういう存在だったのか。その答えの片鱗に、中國紀行CKRM的視点で迫ります。