中國紀行 CKRM Vol.04

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福建商人と境界人ノ世界。

華僑とは何か?多くの日本人にそう聞いてみると、このような答えが返ってくるのではないでしょうか。ある人は「凄いお金を持っている人たちでしょ?」またある人は「何か怖い人たちでしょ?」といった風に、よくわからない噂話に尾びれがついたような答えが。では、華僑とは一体何なのでしょう。華僑とは、中国を含む、いわゆる中華圏以外で生活する中国国籍の人達のことです。もちろんこれは、中国の方にとっては当たり前の認識ではあります。しかし、日本人にとっては当たり前の認識ではないのではないでしょうか。華僑の歴史は古く、その発祥の一派は現在の福建省から海にでた人達だと伝えられています。福建省福州市は、多くの中国の方が華僑の故郷だと認識しています。海のシルクロードと呼ばれる航路を使い、様々な国で商いをしてきた人達、それが華僑の始まりの人達と伝えられていました。海外に多くの中華文明を伝えてきた華僑。 異文化に溶け込み、良いモノをその場所に合ったスタイルで提供し、共に成長する事を最善と信じて実行し続けてきた福建商人。ある時代に、国境と国境の狭間で文化が融合している世界がありました。そこで活躍していた、偉大なる家族に焦点を当てながら華僑の始まりに想いをはせる、そんな特集です。始まりの華僑と福建商人を知る事は、消費文化に疲弊しつつある現代社会を生きる私たちにとって、とても大切な事かもしれません。始まりの華僑と福建商人の歴史を紐解きながら、その精神性と文化に対する価値観を作り上げてきた環境に迫ります。