中國紀行 CKRM Vol.37
長江下流域、日本では揚子江としても知られるこのエリアには、かつて楚・呉・越という国々がありました。楚の始まりは、記録に残されていないほど古い国だったようですが、三皇五帝の「顓頊」から始まるとされています。それぞれの国には異なる開国神話があるのですが、不思議な事に全ての国には、鳥の信仰がありました。鳥の信仰は春秋戦国時代に中華を一つに統べた始皇帝の「秦」や、夏王朝が始まる時にはすでに存在したという、「蜀」の文化の中にも見られるのですが、何故鳥なのでしょう。『日本書紀』の中でも鳥は、「金鵄」や「八咫烏」が登場します。日本の神話に出てくる八咫烏は、「高皇産霊尊」によって遣わされた導きの鳥でした。導く鳥と長江流域に伝わる鳥の伝承には、何か繋がりがあるのかもしれません。揚子江とも言われる長江下流域に残された文化を、現代の様子と共に、中國紀行CKRM的視点でお伝えします。